2018年12月17日月曜日

一流を目指す

マルチ外交の場ではソフトパワーの重要性を痛感した。
相手国の政府担当者相手だと、多少ブロークンな英語でも聞いてもらえるし、
多少強く出ても、一回かぎりの相手であれば、我を通せるならば構わない。
でも、そういったやり方には限界があると思う。

流暢な英語を使えないと、例えば、ガードマンや受付のお姉さん相手には、
低く見られがちになってしまう。
ましては、マルチの場で、言葉で世界を動かそうと思えば尚更だ。

ある国の担当者は非常にメールの返信が遅く、
融通も欠いていて、正直嫌なやつだなという印象だったが、
バイのミーティングで先方を訪れたとき、
先方のトップが部屋の外で待っていて我々を出迎えてくれた。
その瞬間、一気に報われた気持ちになったのだが、
よく考えると、相手の心を獲るのは、マルチ外交において非常に重要な戦術だと思う。

相手の心を獲るためには、
外見や発音や所作などに洗練を加えていく必要があると思う。
特に、ある途上国の元大統領の場合、
非常に忙しいはずなのに、身だしなみがバシッとしていた。

忙しい中でも、カッコよく見える、
合理的な服装や髪形を追求し、
相手に自然と好感を与えるような所作を身につけること、
そんなことはこれまで二の次だと思っていたけど、
一流を目指したければ避けて通れない部分だと思う。

また、中国とかがアフリカを担ぎながらグループを結成しているのは、
大きな構想だと思った。アジアとかで固まらずに、
自分と利害が近いグループを担いで発言権をとる。
日本も、どのようなグループで行動するのが本当にいいのか、
もっと検討していくべきだと思う。

そして、相手国の大臣が日本の大臣のところに来た時、
待機する場所をそのつど他省庁から借りていたのだが、
他省の一会議室なので殺風景であり、時に書類が散乱していたりもした。
そういうところに相手のトップに待ってもらったりすることもあったのだが、
ソフトパワーの観点から、それでは相手の印象が良くなりはしないと思う。
例えば、綺麗な部屋に案内して、流暢な英語で少し待たせることになり申し訳ない旨と、
お茶を出したりしてはどうか。もしくはコーヒーの方がいいのか。
ソフトパワーの観点から質を高める工夫をする余地があると思う。

以上、自分のできていないことを色々と痛感した二週間だったが、
バイのロジ面を取り仕切れたのは、自分にとって自信になったし、
次に繋がる経験だと思う。