2020年1月26日日曜日

フロントライン

世界が抱える課題の解決に取り組みたいと思ってこの世界に飛び込んで五年。膨大な事務処理やコピーに追われた三年がすぎ、一気に中身に関わる比重が増えてきた。

cop26に向けた各国の訪問や国際機関では、日本に対する期待の高さを直に聞いた。経済力が低下し、安全保障で果たす役割も限定的な日本が、引き続き国際社会の中でやりくりしていくためには、気候変動をはじめとする国際問題の解決に向けて汗をかくこと。学生時代の教科書の一節の最前線で働く意味を自覚して、気を引き締めて進んでいきたい。

国際交渉をリードする上で大切なのは、その分野に対する知識の深さ、英語力、個人的な存在感で、これを支えるのがその分野への情熱だと思う。ある国の幹部は化学物質、生物多様性、気候変動といった広範な環境課題をメモなしで超早口でかつ、彼の部下が帰っても我々と議論を続けてくれた。環境課題に対する情熱は、知識、コミュニケーション力、存在感の全てを左右する。

後は各国オフィスの美しさが印象的だった。特にイギリス環境省やunfccc。イギリス環境省は全部局でフリーアドレスを導入し、一人の机も広めで完全ペーパレス化を実現しているとのこと。unfcccの場合は、明るく暖かい感じのデザインのオフィスで、各職員が個室をもっているとのことだった。イギリスを見習い、フリーアドレス化とペーパレス化の推進を進めていくべきだと思う。あとは、pc。指紋認証とかでサクッとログインできるようにして、音声からメモを起こすアプリを標準装備のサーフェイスとかを各職員のpcにすると作業能率がぐっと上がると思う。後は機材は購入というより三年くらいのレンタルにして、技術向上に応じて柔軟に機材の変更ができるようにするのが良いと思う。

もう一つ、スイスの環境省は職員が17くらいには子供を迎えに行くと言って帰りだし、18には終電後の日本のオフィスのように閑散とした状況になっていた。金曜の18くらいから何をするかというと、家族や友人とコンサートに出かけて、22くらいから飲むというもの。生活や人間関係が豊だと感じた。