2020年4月18日土曜日

テレワークとコロナ後の世界

新型コロナウィルスの影響で国境の壁は高くなり、人々の移動の自由は大きく制限されている。他方、国内では、これまでできれば良いけどなかなかできないと思われていたテレワークの活用が急速に進みつつある。

テレワークが進んだ先の社会像の一つとして言われているのが、都市への一極集中が是正され地方創生に繋がる可能性があるということだ。個人的には、地方創生に繋がる可能性もあるとは思うが、人の流れは、必ずしも地方への流れだけではないと思う。

一つは、海外への流れだ。オフィスに出勤せずとも仕事ができるとなった場合、例えば、海が好きな人なら東京から沖縄に移動する、ということが考えられると思うが、外国語がある程度話せたり、海外に知人がいる個人であれば、移動する先は、沖縄だけでなく、台湾や済州島でも良いと思う。さらに、時差の問題を乗り越えられるような、働き方が定着すれば、ハワイ等でもよいはずだ。

もう一つは、移動し続けるという流れだ。ミネルバ大学は、世界各都市を移動しながら学ぶというカリキュラムを生み出し、ハーバード以上に人気を集めているという。20代前半の学生と話した時に将来の仕事の希望を聞いてみたところ、プログラマーとして世界を旅しながら仕事がしたいということだった。

現在は、国境の壁が高く、日本から海外に行けるようになるのは、いつになるのかという状況ではあるが、ギリアドの治療薬の有効性が報じられていたり、ワクチンの量産計画が先倒しされようとしていたりと、少しづつ事態好転の兆しが見え始めているようにも思う。

大学で言えば、ただ教授の話を一方的に流す授業であれば、録画したものを、好きなタイミングでみる形でもよく、そういった流れは、今回のコロナ対応で少しづつ定着するのではないか。また、ゼミに関しても、Zoom等を活用すれば、誰かの発表をきいて、少し質問をする、といった活動であれば十分に実施可能だ。

また、Airbnb的なサービスの一貫で、定額を払えば、世界中に会社が所有している空き部屋に自由に宿泊できるみたいなサービスもあり、家賃を払う代わりにこういったサービスにお金を払うようにすれば、世界中を旅しながら学生生活を送るということも可能となるはずだ。加えると、地方の空き家に数ヶ月滞在できるといったサービスが広がれば、危機時には地方に滞在し、そうでない場合は都市に滞在するといった、柔軟な居住スタイルも選択可能になると思う。

リモートワーク等の浸透により、将来的には、都市からの人口移動の流れがおきるかもしれないが、その流れは、「地方へ」の流れだけでなく、「世界へ」、「移動へ」、という流れもあり、個人的には、世界へ、の流れや、移動への流れにより魅力を感じる。

さらに、日本としての今後の対応を考える場合は、来年のオリンピックを開催できるかどうかで場合分けして考える必要があると思う。開催できなかった場合は、日本としては社会変革云々の以前に、基幹産業を厳しい財政状況の中でどう維持するかという目前の課題に追われることになる可能性があるからだ。

コロナ禍が一年以内に収束する場合、大規模な地方への移住が起きることは考えにくい。また、家計も苦しい中で、地方に引っ越すという出費の選択は中々難しいのではないか。さらに、雇用の受け皿になる中小企業は都市部に集中しており、かつ、テレワークの普及が十分に進んでいない。三年以上先の変化の基礎をつくる上でも、職場での感染拡大を防ぐ上でも、更なるテレワーク支援策を実施していくべきではないか。特に、ペーパレス化の推進や、印鑑廃止の文脈では、電子署名の活用支援があげられると思う。

加えると、伝染病はこれまでも発生しているが、ペストもスペイン風邪も都市化の流れを変えることは出来なかった。伝染病への対応としては、スマートフォンと連動した個人の追跡、感染発生都市の迅速なロックダウンを世界のスタンダードとすること、特定地域渡航者に対する重点的な検疫の実施と入国時の検疫手法の更なる高度化等、人々が分散して暮らす以外にも対応策があると思う。

※マイナンバー制度と連動した個人口座の開設は、危機において迅速に給付を届けるためには必要だと思う。また、中国がwechatのアカウントの作成にパスポート等の個人認証が必要で、スマートフォンの活用を通じた個人の行動把握が容易という話を聞いた。プランバシーの保護との兼ね合いは重要となると思うが、スマートフォンと連動した個人行動の把握は、感染拡大の防止や、特定地域にいる方に迅速に資金等を届けること、また、個人の行動変容からの温室効果ガス排出量の変化の計測等いくつかの面で応用が効く技術だと思う。さらに、元のデジタル化も進んでいるというが、紙幣と硬貨の廃止は、感染対策の観点からも有効だと思う。

※個人的には都会の生活が好きだが、日本の東京への集中は世界でも群を抜いているとのこと。感染症だけでなく、地震への対応も重要となるため、首都機能の移転は一案だと思う。例えば、韓国ではソウルの一極集中を是正させるため、ほぼ全ての省庁を世宗特別行政市に移転させている。ただし、韓国の場合は国会がソウルに残っているため、議員レクの度に局長や課長が新幹線で片道二時間ほどかけてソウルに行くとのこと。これは非効率なので、公共投資や雇用創出の観点から首都機能の移転を実施する場合は、国会と省庁をセットで移転すべきだと思う。また、行政中核都市は再エネ100%でゼロカーボンを実現できるようにすべきかと。ちなみに世宗は完全に車社会でバスも便利でなく、タクシーも拾いにくいので、日本で首都機能の移転を行う場合は、ウィーンのように無料で乗れる路面電車を導入する等(できれば24h運営が良いと思う)、こういった面にも対策を講じるべきだと思う。さらに、世宗から国際空港へのアクセスは非常に悪く、ソウルまで片道2時間くらいかけてバスで移動する必要がある。なので、行政中核都市の空のアクセスも整備が必要かと。

 もし遷都をして新しいオフィスをつくるなら、イギリスのビジネス省あたりをモデルに、完全なペーパレス化とフリーアドレス化を実現すると良いと思う。テレワークが広まり毎日出社する必要がなくなれば、東京が好きな人は東京に住んでたまに新首都にいく。国際結婚した人は海外に住んでたまに新首都にいくといった働き方も可能になるかと。あとは、省庁の垣根も低くして、たまに出社したタイミングで別の省庁の人と近くの席に座るといったことができれば、新たな発想も生まれやすくなるのではないか。あとは、自転車に通える距離に居住区をつくる、畑があって週末には農業もできる、とかだと魅力度が上がると思う。

※テレワークが普通になると、海外在住の外国人も日本の会社で働くということも増えてくると思う。日本語はそこそこ話せて、英語はもっと話せて、自国語はネイティブ。そういう人がバーチャルな形でも日本企業で働くようになれば、企業の生産性はより高くなるのではないか。また、国家公務員の国籍要件は緩和しても良いのではないかと思う。政治家の国籍要件は緩和できないと思うが、政策案をつくったりする段階では色々なバックグラウンドや視点が入った方が魅力的な案が生まれやすくなるのではないか。これをやることで、政府と国際機関&多国籍企業の間にある人材面のハンディが一つ、取り除かれることになると思う。

※働きながら移動するライフスタイルとしては、例えば、クルーザーに乗って鹿児島から沖縄まで移動しながら働くということも可能になると思う。一週間くらいの行程で、そのクルーザーに新たに事業を始めようとする人とか、投資家とかが乗っていると新しい人間関係を構築しながら働くことも可能となるのではないか。ヨットで起業した友人の事業も陰ながら応援したい。

2020年2月4日火曜日

働きながら行政書士試験に合格する方法

 とりあえず行政書士試験に合格したので、忘れないうちに勉強法を共有しておきたい。


スケジュール 
 7月頃から主に土日を使って過去問を勉強。使ったのは伊藤塾の過去問集。直前期には若干失速したものの、なんとか過去問集を二周したところで本番に突入。伊藤塾の模試も二回受験。

具体的勉強法 
 まず一ヶ月半くらいかけて過去問五年分を一通り教養含めとく。合格ライン180のところ教養は30くらい取れそうなので法律系で150取れるようになることを目指すことに。集中力が続かない時は10問解いて答え合わせして、また時間をあけて10問解くといった形で進めていった。地方自治法は苦手である上に既存の教科書の記述が薄かったりしたので択一六法のテキスト部分を軽く一読。最初の一周は間違えたとこの解説にさっとマークするくらいでサクサク進めた。商法、民法は難しく感じることもあったが、同じ問題がまた出たら正解できれば良いくらいの気持ちで教科書等には戻らず進めた。

 次は、キンコースで過去問集を裁断&穴あけして二週目に突入。五年分の全ての問題を、教養を除いて解き、正誤の判断を間違った選択肢をオレンジのペンで加工しつつ解き進めた。加工が入らなかったページはおそらくもう見ないだろと思いつつ封筒に入れ、問題をやる中で覚えた方が良さそうな条文とかは六法をコピーして該当部分を加工が入った問題と一緒にバインダーに綴じた。また、相変わらず苦手だった地方自治法も択一六法の該当ページをコピーして綴じた。平日の夜の時間がある時はこのバインダーをパラパラめくって加工が入った選択肢や、マークがしてある条文を眺めた。土日は過去問を解いて加工するのと、模試を解いて覚えといた方が良いと思った問題を同じく加工していくことにあてた。

 直前は色々忙しく追い込みがかけられなかった部分もあるが、試験会場に向かう行きの電車では時間の許す限りバインダーを読み返した。結果合格。教養は過去問一度解いてざっと解説を読んだのと、模試を二回受けて間違えた問題の解説を読んだくらい。勉強というより普段仮想通貨とかテクノロジー関係も含むニュースに関心を持っておき、当日は時間かけすぎずにサクサク判断していくのが良いかと思う。

今後に向けて 
 せっかく資格をとったので副業規定との関係で問題なければ国際結婚の申請とか、友達の設立した会社の登記とかをプロボノでやってみたい。

2020年1月26日日曜日

フロントライン

世界が抱える課題の解決に取り組みたいと思ってこの世界に飛び込んで五年。膨大な事務処理やコピーに追われた三年がすぎ、一気に中身に関わる比重が増えてきた。

cop26に向けた各国の訪問や国際機関では、日本に対する期待の高さを直に聞いた。経済力が低下し、安全保障で果たす役割も限定的な日本が、引き続き国際社会の中でやりくりしていくためには、気候変動をはじめとする国際問題の解決に向けて汗をかくこと。学生時代の教科書の一節の最前線で働く意味を自覚して、気を引き締めて進んでいきたい。

国際交渉をリードする上で大切なのは、その分野に対する知識の深さ、英語力、個人的な存在感で、これを支えるのがその分野への情熱だと思う。ある国の幹部は化学物質、生物多様性、気候変動といった広範な環境課題をメモなしで超早口でかつ、彼の部下が帰っても我々と議論を続けてくれた。環境課題に対する情熱は、知識、コミュニケーション力、存在感の全てを左右する。

後は各国オフィスの美しさが印象的だった。特にイギリス環境省やunfccc。イギリス環境省は全部局でフリーアドレスを導入し、一人の机も広めで完全ペーパレス化を実現しているとのこと。unfcccの場合は、明るく暖かい感じのデザインのオフィスで、各職員が個室をもっているとのことだった。イギリスを見習い、フリーアドレス化とペーパレス化の推進を進めていくべきだと思う。あとは、pc。指紋認証とかでサクッとログインできるようにして、音声からメモを起こすアプリを標準装備のサーフェイスとかを各職員のpcにすると作業能率がぐっと上がると思う。後は機材は購入というより三年くらいのレンタルにして、技術向上に応じて柔軟に機材の変更ができるようにするのが良いと思う。

もう一つ、スイスの環境省は職員が17くらいには子供を迎えに行くと言って帰りだし、18には終電後の日本のオフィスのように閑散とした状況になっていた。金曜の18くらいから何をするかというと、家族や友人とコンサートに出かけて、22くらいから飲むというもの。生活や人間関係が豊だと感じた。

2019年10月13日日曜日

中小企業の統合について

デイビットアトキンソ氏の国運の分岐点について、
氏の分析はいつも目から鱗で、
勉強になります。

本書の主張を要約すると、
生産性向上のため、
中小企業の統合が必要であり、
最低賃金を年間5%のペースで引き上げ、
中小企業優遇策も縮小すべき、
となるかと思います。

気になるのは、
人口減少下で、人材の取り合いが起きれば、
企業は自然と賃金を上げるはずで、
それが起きないのは、
新しい技術が人手の必要性を低下させ、
グローバル化が、
人材の海外調達を可能にしたためでは、
ということです。
賃上げは生産性の向上に寄与しうる一方、
空洞化も促進させるのではないでしょうか。

あとは、中小企業統合の代案としては、
シェアの推進もあると思います。
オフィスや生産設備をシェアする形で、
擬似的に企業統合を進めれば、
よりスムーズに移行を実現できそうですが、
効果が限定的となり、
政治的なモメンタムも生みにくそうです。

日本は銀行をどのように統合したのか。
ここら辺はすでにありそうですが、
その時の施策と比べても、
賃上げがベストな施策でしょうか?
このあたりについても、
知りたいと思いました。

あとは、人口減少下で賃上げを進め、
強い大企業と少ない中小企業の国として、
韓国があげられると思います。
本書では急激な賃上げを進めているので、
日本との比較対象にならない、
とされていますが、個人的には、
同氏の手による、日韓の比較分析も、
読んでみたいと思いました。

韓国では賃上げにより、
雇用問題が深刻化していますが、
韓国においても少子化は進行しています。
要因は、賃上げの急激さでしょうか?
韓国の大企業は、一般に狭き門で、
多くの学生を採用していおらず、
これが韓国の就職が極めて厳しい一因だと、
理解しています。

国運の分岐点

2019年10月7日月曜日

ライドシェアとタクシー業法

"I'm Grab driver!"
ベトナムを歩いていると、
こう言って話しかけてくる、
緑色のTシャツを来た人によく出会った。

また、南米のコロンビアなどでは、
正規のタクシー免許を持ったドライバー以上に、
ライドシェアのドライバーの需要が高いという。

レイティングシステムというイノベーションが、
免許制度を意味のないものにしつつあり、
制度整備が日本ほど進んでいない、
南米や東南アジアで、
急速に進行していると思う。

南米においては、
ウーバーのようなライドシェアの会社が、
アマゾンみたいな物流の世界にも進出して、
人々の生活をよりクールで、
ワクワクするものに変えているようだ。

また、この流れは、エコでもあると思う。
日本のnottecoが行った調査では、
ライドシェアにより、
CO2排出を58トンほど削減できたとか。

ライドシェアが流行ると、
既存のタクシー業界には打撃となり、
車も今より売れなくなる可能性がある。

でも、その一方で、CO2の排出を削減し、
特別な免許なしで、
人々が副収入を得られるようになり、
新しいビジネスを育て、
人々も、車種とかドライバーとかで、
乗る車を選べる社会を築くことができる。

タクシー免許なしでも行えるライドシェア、
これを推進する政府部局がないなら、
環境の観点から乗り出して行くべきではないか。
この分野の研究を進めたい。

※Notteco、CO2削減量が58トン
https://cp.notteco.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/05/2016-08-31_notteco-press-release.pdf

※自動運転タクシーでGHG94%減
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/070800176/

※東南アジアのライドシェア、Grab
https://www.stockclip.net/notes/5999

2019年9月28日土曜日

変革期

日本には二つの顔がある。
一つは、伝統を大切にし、変わらない国。
もう一つは、その時が来れば、瞬時に変わる国。

2100年、日本の人口は6000万人になる。
1800年、江戸時代の人口は3000万人。

人口が急激に倍増する過程、
1800年代から1900年代にかけ、
明治維新が起きた。

2000年代から2100年代にかけ、
日本は急激に人口が半減する時代を迎えている。
もう一度、社会を大きく変えるのは、今だ。

今日は、一つの社会の在り方を提案したい。
この社会は三つの要素からなる。

一つは、wait less。
誰かの許可はもういらない。
資格や免許制度を徹底的に撤廃し、
やりたいことを、今すぐできる社会をつくる。

一つは、goods less。
お金や、様々な情報が印刷された資料。
これらを全てデータ化する。

一つは、border less。
国境に囚われるのはやめ、世界の目線で考える。
アジア地域の再エネを最大限活用する。

wait less、goods less、border less、
これらの三つの要素で構成される経済的を、
Less Economyと名付けたい。

この経済を実現するため、
GPIFやサンドボックスを徹底的に活用し、
テクノロジーの活用を抜本的に進める。

Less Economy、
ブロックチェーンや人工知能等を活用した、
社会変革の先にあるのは、人口6000万人。

豊かな文化と多様性に彩られた、
懐かしい未來だ。

2019年8月28日水曜日

ベトナムと韓国

夏季休暇を利用してベトナムに行ったら、
韓国の人々の多さに驚いた。
日本語版のメニューがないレストランでも、
韓国版のメニューなら置いてある。
直行便も、日本より遥かに多い。

韓越FTAの影響もあるように思うが、
韓国とベトナムは、特に対中国という観点から、
地政学的な位置が似ていると思う。

例えば、両国は中国から支配を受けた歴史があり、
現在においても領土問題を抱えていたりする。
南北が統一された暁には、新たな国家も中国と国境を接するようになる。
この点で、ベトナムと中国の関係を見ておくことは、
例えば高麗連邦のような新国家が出来た際に、
その国家がどのような動き方をするかの、一つの参考になるのではないかと思う。

近年、韓国では対中シフトを加速化させようとする動きが相次いでいる。
GSOMIA破棄までの一連の流れを見ていると、
ムン政権は鼻から対中シフトを加速化させる目的で、
最高裁長官を変え、徴用工判決に不作為を貫き、
レーダー照射や不買運動を通して、
日本のせいだと言いながら日米同盟関係からの離脱を進めてきたようにも見える。

この流れで行くと、
現在凍結されている在韓日本企業の資産が競売にかけられるのも時間の問題で、
かつ、それに対して日本が例えば関税引き上げ等の対抗措置をとって、
今でも十分に厳しい韓国経済が打撃を受けた場合、
中国から何らかの経済支援を得るという取り決めを、
実は結んでいたりするのではないかと勘繰りたくもなる。

韓国では、賃金引上げ、労働時間の短縮をムン政権下で急速に進めた結果、
以前から深刻であった若年雇用問題が更に深刻になっている。
また、韓国では、ドイツ国債に関連したデリバティブが、
大きな損失を出したのではないかとのことで、政府の査察が始まったという。

韓国の不動産に関しては、例えば2年間契約の物件で、
契約はじめに敷金のような形で2000万円払えば、
月々の家賃は払わなくても、退去する際にその2000万円が戻ってくる、
チョンセという仕組みがある。
これは結構人気で、例えば新卒の社会人や若い夫婦なんかも、
銀行から借り入れを行なってチョンセを活用するのが一般的なようだ。

この仕組みは、土地が値上がりして行くことを前提に、
不動産のオーナーが受け取ったチョンセを土地への投資等に活用して、
二年後はそれを転売等してチョンセ返却後の差益をとることを前提にした仕組みだと思うが、
一旦土地の値段が下がりだすと、
銀行への借り入れを返せない人が続出する危険性もあるのではないかと思う。

先程のデリバティブの損失で銀行のバランスシートが毀損した結果、
銀行のオーナーに対する借入金返却の督促が強まったのか、
最近は、以前は容易に出来たチョンセの更新も、再度まとまった額のお金を払うよう、
大家が賃借人に求めるケースも出てきているようだ。

日本としては、遠からず韓国が懲用工判決で凍結した日本企業の資産を、
現金化することに備えつつ、仮に現金化されそうになった場合も、
韓国政府が日韓請求権協定に則り、
日本企業に代位して損害賠償の支払いを行うよう求めたり、
既に韓国内で提起されている同様の訴訟への期待を表明するなどすることで、
懲罰的関税の引き上げといった対抗措置の実施は、
少し様子を見つつカードとしてとっておくというスタンスで良いのではないかと、
個人的には思う。

なぜなら、そのカードがトドメとなって韓国経済が深刻な打撃を受け、
それを例えば中国が現在韓国に対して課している、経済措置の解除などを通して、
救済するなどすれば、韓国の離日・対中シフトが益々加速してしまうと思うからだ。
ただでさえ、ぐらついている韓国経済をつついて、
日本のせいだと批判する口実を与えないようにして行くという配慮が重要だと思う。

話を冒頭に戻すと、現在のベトナムが中国にべったりかというと、
必ずしもそうでないし、
中国と連合を組んで例えば、マレーシアを圧迫するといった行動はとっていないと思う。

また、歴史的に見ても、大陸勢力が日本に侵攻してきたのは、
元寇の時くらいで、しかもそれは漢民族主導ではなかったのではないかとも思う。
日本と中国大陸の歴史を見ると、どちらかと言えば、大陸勢力の膨張を恐れた日本が、
先制攻撃的に出兵して反撃にあったケースが多いのではないかと思う。
かつ、この場合も、
大陸勢力がその後海を越えて日本を圧迫しに来たという事態には繋がっていない。
(白村江の戦い、文禄・慶長の役、日清戦争、(朝鮮戦争))

なので、仮に朝鮮半島が統一されても、
既存の漫画のストーリーに沿って、”民族の核”が日本を向くようなるといったことを、
過度に恐れて行くべきではないと思う。

むしろ、南北統一を経ていない現在においても、日本は核保有国に囲まれており、
そのミサイルの射程は日本を捉えているので、
南北統一が殊更ネガティブなファクターになる訳ではないのではないか。
(例えば、民主国家同士は戦わないという理論もあったりするので、
統一朝鮮が、民主制を維持した場合、朝鮮半島が日本に加える安全保障上の圧迫は、
今より減少すると見ても良いのではないだろうか。)

勿論、過去のパターンが将来も繰り返されるという保証はないけれど、
少なくも過去の歴史と、ベトナムなど、地政学的に韓国と類似性のある国が、
周辺国に対してとっている外交政策をみると、統一朝鮮が日本に対して、
敵対的な立場をとる、という言説とは、
異なるシナリオを考えて行くこともできると思う。

韓国ではアン氏や、チョ氏など、
大統領候補と言われて来た人にスキャンダルがあった結果、
次期大統領候補としては、ムン大統領とも対日の歴史問題などで立場の近い、
弁護士出身のパク・ソウル市長が有力なのではないかと思う。

パク市長が次の大統領となった場合、
現在の韓国政府の日本政府への立場は基本的に変わらないようにも思うが、
日本としては、引き続き、
徴用工判決が信義則を理由として時効主張を排斥していることを、
批判したりすることで、戦略的に対応を続けて行くことが重要なのではないかと思う。
(個人的には、ムン大統領が秘書官を務めていた盧武鉉大統領時代にも、
徴用工問題は提起可能であったはずなので、
信義則を理由に時効の主張を排斥するという、
韓国最高裁の主張は、かなり無理筋で、
もっと批判されても良いのではないかと思う。)

以上、安全保障は門外漢ではあるが、
日韓関係に対する前向きな政策を記述した本も出版されることに期待しつつ、
2020年4月の地方統一選挙の結果を注視していきたい。