2013年3月30日土曜日

尖閣諸島 日中双方の主張

 日中双方がICJに領土問題を提訴したらどのような主張をし、どのような判決が下るのだろうか?これまでの日中双方の主張をまとめながら考えてみたい。

◆1歴史(中国側立論)
 双方とも歴史上尖閣諸島は自国の領土だと主張する。ただし、この歴史がいつを起点とするかは日中双方で異なる。日本の場合は尖閣諸島を編入した近代を起点とする。一方中国は古代を起点とする。
 中国は多数の古文書を持ち出して尖閣諸島の存在を古代から認識しており、自国の領土と考えてきたと主張する。これに対し、日本は一つ一つの古文書の解釈や信憑性に疑義を提起するだろう。
 この点に関しては、「日本より先に中国は尖閣諸島の存在を認識していた(場合によっては+自国領と考えてきた)」という主張をICJは認定するのではないか。


◆2国際法;実効支配の法理(日本側立論)
 しかし、領有権を決める上で重要となるのは、当事者のうちいずれが先に実行支配を確立したかということである。島の領有権に関わるICJ判決や仲裁判決の多くは実行支配の法理に基づいて出されており、本件でも当法理が適用される可能性が高い。
 この場合、「島に人が住んだ」とか「施政権を及ぼした」などが実効支配確立を判断する基準となる。この点、日本は1895年の編入から人が住んだり、施政権を及ぼしたりしており、1895年以降の実行支配がICJで認められるだろう。
 そこで、いくら中国が上記の歴史上の反論を行ったとしても、①「ICJが実効支配の法理を本件に適用しない」②「中国が日本より先に実効支配をしたと立証する」かのいずれかがない限り、最終的にはICJは日本の尖閣諸島領有を認めることになると思う。


◆3ポツダム宣言受諾による日本側の領有権放棄(中国側立論)
 中国はまた、(仮に1895年以降、一時的にも日本が同島を「不法」領有したとしても)カイロ宣言及びポツダム宣言の受諾により、日本は尖閣諸島の領有権を放棄したと主張することが考えられる。しかし、同宣言によると、日本の領有権が及ぶ範囲は「連合国により決定される」とある。戦後、アメリカは日本に尖閣諸島を返還した。そして、僕が知る限り、これに対してイギリス、フランス、ロシアが反対の立場を表明したことはない。また、中国も71年までは抗議を行はなかった。さらに、現在も日本が尖閣諸島を実行支配している。
 以上の事情を考えると、「ポツダム宣言受諾による放棄」という主張がICJで認められる可能性は低いのではないか。


◆4追認もしくは有効な反論の欠如(日本側立論)
 国際法上、紛争地の実効支配を相手に奪われた場合、それに対する抗議をしなければ、後でその領有権を争うことができなくなる。この点、「国家レベルでの抗議」や「ICJへの提訴に類する行為をしたこと」がこれを為したかどうかの判断の基準となる。本件において、僕が知る限り、中国は1895年から1971年まで上記の抗議を行っていない。
 以上から、中国が抗議を行ったこと、(もしくは抗議を行はなかったことが同法理の適用を正当化することにならないという特段の事情の存在)を立証しない限り、中国はICJで本件を争うことができないという判決が出される可能性もあると思う。


◆5実効支配の法理の検討
 ICJの判例には厳格な意味での先例拘束性はないので、本件でも別の法理が提案されたり、実効支配の法理が適用されなかったりする可能性はあると思う。その場合の予想されるICJのロジックは以下の二つが考えられる。


 ①実効支配の法理が植民地獲得と密接に結び付いた法理であることを認定し、日本の植民地支配を否定するポツダム宣言やカイロ宣言とその受諾を引用しながら、日本の植民地獲得期の歴史に関連して生じた領有権紛争(この点も尖閣諸島がそのようなケースにあたるとICJが認定)に同法理を適用することができないとすること。
 日本人としては受け入れがたい判決だが、第二次世界大戦を世界の他の国々の人々や判事がどのように理解するかによっては、このような判決がでる可能性もあるかと思う。


 ②近代以前の東アジア地域に、西洋諸国の慣行を起源とする実行支配の法理とは別の法理が存在したとし、例えば、東アジア地域に関しては、実効支配ではなく、「発見の順番」や「地図等を通して継続的に自国領と認識してきたこと」を基準として領有権を判断するという新たな法理を打ち出すこと。
 このような判決が出た場合、若干ラジカルな影響を国際法やその後の外交交渉に与える可能性がある気がしないでもないが、このような判断(もしくは①②の複合形態の判断)がなされる可能性もあるかと思う。


◆6実際どのような判決がでるか
 ICJが白黒をはっきりつけるということも可能性としては考えられるが、事実整理や実体面の審議と並行して、あえてすぐには結論を出さず、日中双方に交渉による解決を働きかけるということも、ICJのとりうる行動として予想することができる。この場合は、尖閣諸島が複数の島により成り立っていることに注目して、それぞれの島を日本と中国(場合によっては+台湾)で分割して、新たな国境線を引くように提案するということが考えられる。


◆7まとめ
 以上のことは、全て可能性の話にすぎない。しかし、いずれにせよ、問題の解決や緊張緩和のためには、日中双方の人々が両者のロジックや主張する事実を理解し、双方のロジックの弱点や敗訴の可能性を頭に入れた上で、交渉による解決やICJの判決による解決を受け入れる素地をつくっていくことにあるのではないかと思う。


 ※中国人の友達に「ICJ提訴」の話を振ってみたところ、彼は「日本は敗訴してもその結果を受け入れないのではないか?」と言っていた。個人的には、そんなことはないと思う。中国はどうなのだろうか?

2013年3月21日木曜日

中国と民主主義

◆中国の民主化?
日米両政府にとって中国の民主化は重要な外交目標と授業で習った。
一方、中国の人々は民主化についてどう考えているのか?
中国の学生と議論してみた。

◆まず、中国の問題は汚職である。
例えば、中国ではアパートを買うとき、家をもっていない人には低い税率が適用され、
家を既に所有する人にはそれより高い20%の税金がかかるという制度がある。
しかし、官僚と富裕層の癒着がしばしば発生し、既に家を所有しているのに、
低い税率で新たな建物を購入する人がいるということだ。
先日も北京で偽造された住民カードを19枚ほど使って多数の建物を違法に購入した人が摘発されたらしい。

※ちなみに韓国では、家を借りる時、1年とか2年とかのまとまった賃料を先払いして、
賃貸契約を解除する時に先払いしたお金を返してもらえるという制度がある。
土地の値上がりを前提に大家さんの投資意欲を喚起させるためにつくった制度だが、
最近土地の値上がりが鈍化してきているという話も。

◆この、汚職という問題はなぜ発生するのか。
自分たちなりに考えてみたのは、
①文化的要因;長い歴史を通して中国では癒着が行われてきており、多少の癒着には目をつぶる傾向がある。
※中国ではビジネスをやる上でも政府や大物との人間関係が重要と言われるが、このへんの事情も関係している?
②制度的要因;司法権の力が党に比べて強くない。また、政権交代の仕組みがないため、権力の浄化を行いにくい。
※党による内部浄化の努力が続けられているが、限界がある可能性も。

◆では、この問題にどう対処するのか。
この点に関して、中国では制限的に民主主義を導入することや、党の中の派閥を活用して政権交代(?)を可能にする方法などが提案されているらしい。
また、中国では、中国の歴史や文化にあった独自の統治機構を創っていこうとする勢いが盛んだということだ。

◆中国版民主主義
地域研究の世界では、「単線的な現代化モデル」は否定されている(らしい)。
また、”人類はまだ最高の統治制度をみつけていないが、民主主義以上に悪くない制度もみつけていない”
って話をどこかで読んだ気がする。
中国の人々が自分たちなりに統治機構の改革に向けて努力する向きは歓迎したいし、
その結果、中国の民主主義が日本や米国のものと多少異なっても良いのではないか。

◆民主主義はいかなる社会条件下で機能するのか
最後に、なんとなく考えてきたことをまとめてみると、
①社会的連帯もしくはある程度の同質性
※歴史と土地に根差した民族が国内に散在している社会では、選挙を行ってもその結果が国というより自分たちの民族を利する政策の選択につながりやすく、民主主義が機能しにくいのではないか。
②国民の平均的な教育水準の高さ
※投票権を持つ一人一人が、財政や外交についての基本を身に着けることが重要なのではないか。そでないと、極度に排外的な政策が選択される可能性や、放漫財政を招く危険性が高くなり、持続的に民主主義が機能することを危うくする可能性も。
③法による民主主義のチェック
※時には多数が誤ることもある。大きな決定を下すときには、それが拙速になされるのを防ぎ、あまりにも正義等の観点に照らして問題がある決定が下された場合はそれを止める力が存在することが、持続的に民主主義を機能させる上で重要なのではないか。その観点から、民主主義体制下では、司法権が多数決の仕組みを監視・牽制できることが重要だと思う。

※少し話は変わって、大陸系の学生と比べて香港やマカオの学生は、
韓国や日本の学生と感覚が近い人が多い気がする。
その繋がりってわけでもないけど、香港を舞台にした映画「天使の涙」に出てきそうな一曲。

2013年3月17日日曜日

日韓の宗教と文明―Multi/Mono God Culture?

韓国の寺では祈りの歌が聞こえた。
日本の読経と異なり調べがある。
なんだかコーランに近い感じだ。

「文明の衝突はもうよんだ?」
そんな感じで韓国人の友達に話を振られ、
日韓の宗教について考えることに。

韓国の場合、人口の約3割がキリスト教を信仰している。
日本の場合、キリスト教を信仰するのは人口の約1%だ。
なぜこのような違いが生じたのだろう?

①近代化期に韓国の知識人の多くはアメリカに渡った。対して日本の知識人の多くはヨーロッパに渡った。
②現在でも、韓国でトップクラスの大学であるヨンセ大学やイファ大学はミッション系。
⇒韓国の知識人はよりキリスト教に親和的であったのではないか?

③韓国では朝鮮戦争期以降、急速にキリスト教が広まった。アメリカ政府の積極的なキリスト教布教も行われた。
⇒第二次世界大戦後、日韓ともアメリカの影響を強くうけたが、日本は神道など強い宗教があった一方で韓国にはそのような宗教がなかったのではないか?

そんな感じの話を何人かでガヤガヤやっていると、
「日本もキリスト教を受け入れていればあんなことはなかったのにね。」
って感じで韓国系アメリカ人の友達が話を振ってきた。

日本が明治期にキリスト教を受け入れていれば日本の第二次世界大戦に対する関わり方は違ったものとなったのだろうか?
それはそれで興味深いテーマだと思う。
一方で、知識を受け入れても日本古来の精神を守ろうとした日本に日本らしさみたいなものを感じた。

「アジア諸国の中でいち早く産業化を達成した日本は尊敬に値する。」
有難いお言葉を頂戴しながら思ったのは、日本の多神教の伝統だ。
日本は多神教の文化を持つから海外の文明を接受する時に過去を否定する必要が少なかった。
だから、海外の文明を受け入れる時も国内の摩擦少なくそれを受け入れることができる。
一方で、新しいものを受け入れて過去を否定するのは苦手なのではないか?

韓国では戦後処理について日独の比較がよく行われるが、
過去を現在に引き継いでいくのは日本らしさの一つだと思った。

日本の地域研究の授業で読んだ「菊と刀」によると、
日本は精神の物質に対する優位を叫んでアメリカと戦ったらしい。
物量では負けるとわかっていても、精神はそれを凌駕する。
そう信じて大敗し、多くの犠牲者や反省を遺した。

一方で、精神と物質の対比という文明批判の視線は、今にも肯定的な形で活かすことができるのではないか。
環境問題がクローズアップされている現代において、日本が持つ価値観や技術を活かしたい。

ソウル大のキャンパスアジアプログラムは熱い。
朝まで飲み明かした後に寺の見学を入れていろいろ話す。
そんな感じでプログラムを組んでくれた実行委員の友達に感謝したい。


2013年1月1日火曜日

北東アジア諸国の国民性から考える日本人の強み、歴史問題

韓国に行って驚いたことがある。
例えば憲法9条の改正議論。

日本にいる時は、韓国や中国などアジア周辺国は
憲法9条の改憲に極めて敏感で、
これを変えようとするなら、大きな反日デモがおきかねない。
そんなイメージを持っていた。

しかし、実際ソウル大学の安全保障の授業で、
同世代の学生と議論してみると、
日本の9条改憲という主張は、さほど反発なく受け入れられる。

特に、兵役を経験して大学院に来ている28歳前後の学生達には、
日本の国際情勢の認識なども交えて説明すれば、
むしろ日本の9条改革を支持してくれた。

自前の軍隊を持ち、国益に応じて海外に派兵を行っている韓国の学生からすれば、
日本も軍隊を持つのは普通のことであり、
そこに戦前に関連するアレルギー反応は見られない、ということかもしれない。

日本にいたころと違ったのは、竹島でも従軍慰安婦の問題でも同様だ。
確かに、学生の間でも日本以上に関心の高い問題であるが、
こちらに理があると思ったことを説くことで喧嘩が生じるとか、
仲が悪くなるといったことはなかった。

日本人として、思うことははっきりと主張していいと学んだ。
しかし同時に、韓国や中国と比べた日本の違いも認識した。

僕は、北東アジアの人々と比べると日本人は抜群に論理的、もしくはきめ細かいと思う。
これは、中国や韓国の学生とグループ発表をやるなどの経験を通して感じたことだ。

日本人は基本的に物事の繋がりに敏感で、筋が通らないことを認めない傾向が強い。
これは一握りの人がそうというわけではなく、日本人全般に言えることだと思う。
日本人はきめ細かで、物事の繋がりをきっちりと考えていく。

それに比べ、中国の学生は、日本人の僕から見るとよくロジックが「飛躍」する。
しかし、常に大局や本質を見た上で重要なポイントや大きな方向性を示すことに意を払っていたという印象だ。
そして韓国の学生は日本と中国の中間。
適度にロジックを「飛躍」させながらも、クリエイティブ、かつ意思決定のスピードが速い。
(日本人としては、細かいが重要だと思われるポイントを指摘する場合はタイミングに配慮し、
グループの方向転換を主張する時は、できるだけ本質論になるよう説明の仕方を工夫すると上手くいくことが多かった。)

ちなみに、これらの違いは国家運営の方針にもあらわれていると思う。
日本では、何か改革を行う前に、徹底的に問題点を洗い出し、その対応策を検討して、合意形成を行う。
TPPへの対応などもその例ではないだろうか。
これに対し、韓国では「見切り発車」も多い。

例えば、自由貿易協定では既にEUとアメリカとFTAを締結しており、そろそろ中国とのFTAも締結しようとしている。
また、日本よりおそく始まったロースクール制度であるが、ロースクールの数は厳しく制限されており、
新司法試験の合格率は高く、ロースクールが設置された大学の法学部は廃止されている。
(ただし、司法試験合格後の就職難が日本以上に深刻だという話も。日韓とも新司法試験の合格者は約2000人。)
さらに、アジア通貨危機後はIT化の波に乗るために財閥の統廃合によりサムスンやLGを生み出した。
現在の韓国ではWiFiが非常に普及していて、チェーン店のカフェでも登録不要かつ無料でネットを利用できる。
しかし一方で、大企業の一人勝ち構造が生じており、中小企業が弱く、国内の格差が日本以上に大きい。

話を戻そう。
歴史問題の対応についても、国民性の違いを考慮する必要があると思う。
日本人にとって、筋が通らないことでも、
韓国や中国の人からは、
「やたらと細かいことをあげつらい、結局のところ言い訳なのでは」
と思われていることは、慰安婦問題や領土問題の構造とも重なる部分があると感じた。

日本人としては当然つながらないと思えることでも、
国際社会の基準でみると、「つながる」ということはあるのかもしれない。
自分の強みに絶対の自信を持ちつつ、
それを世界標準と思わず、
謙虚に世界の「平均値」を学ぼうとすること。
世界を知り、己を知ることで、自分たちの強みをより効果的に活かすことができるようになるはずだ。

日本人の論理性や緻密性はピカイチだと思う。
主張すべきことは堂々と主張する一方で、
大局観を意識し、時には大きな視点から論理を「飛ばして」みせる雅量とハートも、
これから北東アジア諸国との関係を進める上で、
僕たちが意識していくべきことではないだろうか。

同時に、日本と向き合うことになる海外の方々には、
日本人は感情的だから「細かい」のではなく、
日本人の感覚では「論理的でない」と思うことには納得できない
と主張している場合もある。
ということを理解して頂ければ、話し合いがスムーズになると思う。

困難な課題を乗り越えるためには双方の歩み寄りが必要なはずだ。

そろそろ桜の季節ということで、아침(アチム) - 불꽃놀이 (花見)
※高音質版はこちらの方のブログのlist⇒3曲目にあります。

将棋vs象棋の尖閣問題?


あっという間にソウル大学での一学期が終わり、
冬休みである。

寮の生活とは楽しいものだ。
将棋、チェス、象棋(シャンチー。中国版の将棋)、
日本から来た後輩や中国からの留学生とのバトルが熱い。

さて、将棋やチェスにはその国の軍事思想があらわれていると思う。

将棋の最大の特徴は、前線で戦略物資を調達できること。
攻めて敵のコマを取れば、そのコマを使って更なる攻撃に繋げることができる。
これが、劣勢からの逆転を可能とさせるゲームの要素で、
将棋ファンを魅了させる一つのポイントだ。
しかし、これを実戦にあてはめると、補給軽視であるとか、奇襲重視だとか、
なかなかリスキーな体質を生むことにも繋がるのではないだろうか。

尖閣問題でいう公務員の駐在は、将棋で言うと、「持ち駒の投入」にあたると思う。
硬直した状況に対処するための一手としては手堅い。
しかし同時に、外交的には更なる挑発と受け止められかねず、
「戦闘開始」のゴングともなりかねない。

対する中国。象棋ではどうか。
象棋には防御という発想が乏しい。
将棋で言う囲いの陣形もなく、
友人も言っていたが、「攻撃が最大の防御」である。
象棋をプレイしてみると、
初手から「砲」と呼ばれる敵のコマを飛び越える飛車や、
「車」と呼ばれる二つに飛車を使っての、
激しい攻め合いが行われる。
要するに、やらなければやられるという世界である。

将棋と象棋。守りの一手が先手の初手と解釈されれば、
なかなかリスキーな展開になりそうだ。

ただ、現実の世界では、
僕が接した中国の留学生たちは
基本的に大人しい子が多かったし、
実際話してみるといいヤツが多かった。
これは韓国の学生でも同じで、
儒教の影響なのか、ソウル大学で出会った中韓の学生は、
温厚で懐が大きいという印象である。
対する、僕や後輩など日本勢は武士の国なのか、
気概というか、尚武の気を尊ぶ傾向にあるように思う。

日本の指導者には勇ましい発言をする方々が多いが、
中国や韓国の指導者層が同じく尚武の気風を重視するかどうかは、
日本の状況の類推だけからは判断できない。
武士道より、儒教の影響を見るべきではないだろうか。

尖閣問題については、
先占の法理は日本の武器になると思うが、
双方の事実認識と法律論があるのが訴訟であり、
ICJに問題を持ち込んだ場合には、
敗訴のリスクも一定程度覚悟せざるを得ないだろう。

尖閣は地政学上の要所だと思う。
今実行支配しているこの地を、
ICJに持ち込むことで敗訴リスクを抱えるのは賢明な選択だろうか。

同時に、中国における日本企業の活動や日中貿易も重要である。
領土問題をこじらせて再度の大規模なデモを誘発することは、
国益に叶う選択だろうか。

実行支配した上での棚上げの意義は、もう一度見直されてよいと思う。

最後に、日中双方の未来のためには、
両国の人々が双方の立場を理解し、
穏健な判断ができるようになることが第一歩であると思う。
キャンパスアジアプログラムに参加させて頂いた学生の一人として、
微力ではあるが力を尽くしていきたい。

新華社
http://jp.xinhuanet.com/2012-09/25/c_131871899.htm
外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html

おまけ
象棋の遊び方
http://www2.tba.t-com.ne.jp/xinlamian/zhongguoxiangqizoufa.html
コンピュータとの象棋対戦
http://www.4399.com/flash/48747_1.htm

※最近後輩と話していて思ったこと
 日本の学生に気概のようなものがあると思われるのは、部活の影響もあるのかもしれない。
 海外の学生と日本の学生を比べると、語学など、弱い部分が目につくことが多いが、チームワークとか気合みたいなところは結構、日本人学生の強みなんじゃないかとも思える。中韓では部活はあまり盛んでなく、基本的に大学受験の勉強や語学の勉強中心とか。日本の部活は問題点もあるのかもしれないが、かなり重要かつ日本教育の特徴となっている部分だ。
 ちなみに、韓国では兵役が、日本の部活の「代わり」として機能していると考えることもできると思う。(兵役の方が確実にハードだと思うが。)

2012年9月28日金曜日

キャンパス・アジア

Asian Law Students' Association Japanの代表をやって三年。
会則変えるぞ!とか、一年後に日中韓、二年後に全アジアの加盟国を集める国際企画を日本に誘致するぞ!
とかいいつつ、古い慣習に反発して、
200人の会員から鋭いツッコミを受けて1000個以上の質問に回答し、
一旦燃え尽きてから、三年。

再び、アジアに来ている。

ASEAN+日中韓で構成される学生団体で
オーストラリアやインドの加盟問題や誘致戦略を議論したときから、
アジアのルールメイキングを進めるためにも
日中韓の協力が本当に大切だと思っていた。

だから、自分にとって、
日中韓の政府が協力してつくった留学プログラムは
是が非でも参加したいものだった。

このプログラムの存在を知ったのは
締切の一か月前。
英語力、準備、就活、いろいろと足りないものはあったし、
実際留学して何が得られるのかという疑問もあった。
だけど、是が非でもやりたいという情熱のままに飛び出した。

ソウル大学では、
慰安婦の問題でも竹島の問題でも理性的に韓国の学生と議論し合えること
中国の学生はシャイで基本的に中国の学生同士で固まってるけど、ぶっこんでいけば仲良くなれること
インドやインドネシアの学生は日本に好意をもってくれている人が多いこと
まだ、接した人の数は限られているが、
上記のことを感じつつある。

ソウル大学の日本人は少数精鋭。
数自体は少ないが、それぞれにネットワークを築き、
授業でも積極的に貢献している学生が多いと思う。

まだ留学して一か月、
これからも走り続けていくぜ!

※留学のきっかけになった本、留学の前日に読んだ本
「この国を出よ」by柳井正・大前研一
「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?」by田村耕太郎

※東大の公共政策大学院の新コース
キャンパスアジアコース。二年間で日中韓の三カ国で国際関係や経済等、公共政策の基礎を学ぶ。
Grasppの特徴は国際性。アジアに限らず、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、シンガポールなど、
世界各国に留学していく学生が多い。

※留学生活
中国や韓国の学生が居並ぶ中に一人で飛び込んで、靖国神社参拝、第二次世界大戦、領土問題に対する日本の立場を説明し、相手の考え方を聞くことで、度胸・見識・仲間の和を広げる。(靖国・領土 中韓の学生はどう考えるか?)

※就活と留学
自分はキャンパスアジア0期世代だけど、同期や後輩達の就活をみて思ったことをいくつか。公務員試験を目指すのは全体としては少数派。コンサルや金融機関の志望者が多い印象。個人的にはキャンパスアジア出身の公務員が増えるといいと思う。アドバイスとしては、留学前に試験に合格しておくこと。もしくは、官庁訪問と内定を経て半年間留学プログラムに参加すること。自分のように留学中に勉強する人はWEBが充実している予備校を活用すると共に、OBなどで自分の相談にのってくれる人を確保すると良いと思う。東大のキャンパスアジアコースはOBと現役の交流を強化しようとしている流れがあるので後輩の方はその点ご安心を。文系大学院の就活はそんなに甘くはないと思うので、キャンパスアジアに関わらず院で留学する人は早くから進路を意識して情報集や各種準備を進めておいた方が良いと思います。

2012年9月23日日曜日

Korea for studying place


韓国に留学していて、いいなと思ったことが何点かある。

◆まずキャンパス。
韓国の大学は基本的に一つの山全部が学校の敷地で校内に、
寮やジムやカフェが設置されている。
24時間オープンの図書館・パソコンルームやジムも多く、
勉強とスポーツに打ち込むにはかなり良い環境だ。

◆次に大学間のネットワーク。
韓国では出張授業が普通に行われている。
これは、カリキュラムの一環として他大学の教授が教室に来たり、
他大学の授業に顔を出して勉強する機会が組み込まれているということだ。

日本で言えば普通は東大で授業を受けていても、
トピックによっては早稲田や慶応の先生に教わる機会があるといった感じ。

教授の専門によって強いところ、弱いところがあるはずなので、
このように学校をまたいだ授業が普通に行われることは、
特定の学問について高いレベルで体系的な理解を得る点で非常に有益だと思う。

◆そしてグローバルネットワーク
僕が通っている大学院の性格が影響するのかもしれないが、
ソウル大学には外国人が多い。

インド、ドイツ、フランス、スペイン、チェコ、ネパール、モンゴル、ベトナム、キューバなど、
キャンパスは世界各国から集まった学友で溢れている。

日本にいる時はあまり接することのなかった国の人達と、
その国の言葉や歴史について話すのは本当に楽しいし、
自分の視野が広がるのを感じる。

人のベーシックな部分は共通していると思う。
国や習慣に関わらず、自然と友人達やその母国の幸せを願えるようになっているのを感じる。

さらに、世界各国の大使や学者が頻繁に校舎を訪れて講演してくれるのも有難い。
ハーバード出身のエクアドルの女性政治家が生物の多様性を保全するための国際基金について演説した時は、
国に関わらず優秀で情熱を持った人がいるということを強く印象づけられた。

これからももっと時間を有効に使っていろんなことを最大限吸収していきたい!

※1
少しづれるけど、韓国の学生は新聞は二紙以上読むらしい。
新聞によって右派、左派の片寄りが激しいので、
中央日報(右派)とハンギョレ(左派)とかを読んだあとで
自分の考えを固めるのだとか。
テレビの報道は比較的中立的だという意見もあった。

※2
あと、韓国では学生がデモに参加する風潮が強い。
朴vs文候補の大統領選の時も多くの学生が広場で政治活動をやっていてパワーを感じた。
逆に、中国では将来のことを考えてデモに参加する学生自体は少ないということだ。
同世代の中韓の学生とフランクにつっこんで話すことで、
ニュースだけでは見えてこないものを実感できている気がする。

※3
pm11:30。勉強を終えて中央図書館を出ると大気を震わす爆音とテクノサウンドが。
普段は何もない原っぱがゲリラ的に屋外クラブに変身。
これ以外にも、音楽祭とかが突如開催されたりもする。
ソウル大学熱い。

あんまり関係ないけど、相対性理論「LOVEずっきゅん」。9月のGSISの雰囲気にフィットしてると思う。